車を買うというのは決して安い買い物でなく、人生においてもかなり大きな出費になります。
それに、ただの買い物ではなく、車の購入にはデザインが気に入ったから買った、子供や家族のために乗り降りしやすい、あるいは荷物を多く詰める車を買ったなど、それぞれのドラマがあると私は思います。
そして高額な買い物ですから、悩みに悩んでカタログを見比べたり、インターネットで何度も検索したり、価格と相談したりと大いに悩まれたことだと思います。
このように実に大きな決断で購入した車ですから、購入後も大切にして、できる限り長く乗りたいと思うのも当然のことかと思います。
ちなみに私の愛車は中古で購入したトヨタアリオンですが、今11年落ちの12万キロですが、まだまだ快調です。
メンテナンスもオイル交換をしている以外は特にやっていませんし、車検の際に消耗品を交換するだけです。そしてその車検代も毎回10万円前後と特に大きくかかっていません。
単に日本車が優秀なだけなのかもしれませんが、愛着のある車をできるだけ長く乗りたいと考え、些細なことですがいろいろ気を使っているからかもしれません。
今回は、私が車を長持ちさせるため、できるだけ傷めないようにするために気を使っていることをご紹介します。
車を長持ちさせる方法
①急ハンドル・急アクセル・急ブレーキをしない
基本的に車を長持ちさせるだけでなく、危険という意味でもしない方がよいことは間違いありません。
とにかく急な操作は車体にも大きなダメージを与えます。1t以上もある車体があれだけの速度で運動している訳ですから、その運動の方向を変える=急ハンドル、運動速度を変える=急アクセル・急ブレーキは車体の負担にならない訳がありません。
特にハンドル操作は自分が思っているよりも4分の1ぐらい切るのが小さくても大丈夫です。もしそれでも曲がり切れない場合は、速度の出しすぎですのでハンドルの切る量を増やすよりも速度を遅くすることを意識すると良いですよ。
私もこのハンドルを切る量を小さくすることを意識するようにしてから、カーブ時の速度がだいぶ落ちました。
ハンドル操作を意識することは車を長持ちさせるだけでなく、自分の運転を見直すいいきっかけになりますよ。
②車を停車した状態でハンドルを回さない
私も運転に慣れるまではこれをよくやっていましたが、これは初心者の方がよくやりがちな操作です。
これはいわゆる「ハンドルの据え切り」と呼ばれており、これは駆動系にダメージを与えるだけでなく、タイヤの消耗が進むなど、予想以上に車に与えるダメージが大きい操作です。
今はパワーステアリングといって、ハンドルが少しの力で操作できるようになっていますが、パワーステアリングがなかった時代の車のハンドルはかなり重たかったものです。
パワーステアリングが普及したのは1980年代なので、もうほとんど走っていないと思いますが、私は一度旧車に乗ったことがあり、その時のハンドルの重さは想像以上で、車が停車した状態でハンドルを切る、いわゆる「据え切り」はとてもじゃないですが、重すぎてできませんでした。
今は、パワーステアリングなので停車中でもいとも簡単にハンドルを回すことができますが、これは機械のアシストがあるからこそできることです。
つまり、据え切りとは機械のアシストがなければできないハンドル操作をしているわけですので、当然車には大きな負担をかけていることになります。
また、ハンドルだけではなくタイヤにも悪影響で、据え切りした場所をあとからよく見るとタイヤの跡が黒く残っていることがあります。
それは、それだけタイヤが減ったということです。しかもただ減るだけでなく、通常走行の時と違う減り方をするので、いわゆる「偏摩耗」と呼ばれるタイヤの一部だけが異常にすり減った状態になりやすくなります。
つまり、タイヤを不自然に消耗させることになるので、タイヤ交換サイクルがかなり短くなってくるということになります。
よって、ハンドルの据え切りは駆動系に大きなダメージを与えるだけなく、タイヤにもダメージを与えることなので絶対にやめましょう。
ちなみに私の妻は駐車が苦手なので、何度指摘してもハンドルの据え切りをします。妻は車に乗る頻度が少ないので、幸い今のところ車に影響は見られませんが、私は内心壊れないかとヒヤヒヤしています。
③パーキングブレーキ(サイドブレーキ)をかける順番
今はパーキングブレーキと呼ばれますが、いわゆるサイドブレーキです。車を駐車するときにほとんどの方がパーキングブレーキをかけると思いますが、実はこれには正しい順序があります。
・パーキングブレーキの正しい順序
ブレーキペダルを踏んで停車→パーキングブレーキをかける→Pレンジに入れる
これが正しい手順です。恥ずかしながら、私は長年、Pレンジに入れてからパーキングブレーキをかけていました。
完全に平坦な道に駐車するのであれば先にPレンジに入れても問題ないのですが、実際に完全に平坦な道は少なく、わずかながらも傾斜しているところが多いです。
そのようなところで、先にPレンジに入れると、Pレンジに入れることでミッション内部に機械的にロックしたにも関わらず、そこに車の重みがかかってしまうため、ミッションに大きな負担となります。
つまり、車に負担がかからないようにするには、まずパーキングブレーキをかけて完全停車したのを確認したのちにPレンジに入れるということ方法にすべきなのです。
④タイヤ止めに乗り上げたまま、あるいはハンドルを切ったまま駐車する
画像のようなタイヤ止めがある駐車場も多いと思うのですが、これに乗り上げたように一部接触して駐車される方もいますが、これも車に負担がかかる駐車方法となります。
一部接触したまま駐車すると、車に不自然な力がかかった状態が長時間継続することになるので、当然車にはよくありません。
ですので、タイヤ止めに接触したまま駐車することはできるだけ避けるようにすべく、タイヤ止めにタイヤが当たった状態からわずかに前に進み、タイヤ止めとの接触を避けるだけで充分です。
また、このタイヤ止めに接触したまま駐車すると負担がかかるのと同じ理屈ですが、ハンドルを切ったまま駐車するのも車に不自然な力がかかった状態になりますので、これも車にはよくありません。
駐車時はハンドルも元に戻すようにしましょう。
⑤エンジンが温まっていないのにアクセルをふかせる
今販売されているような車は暖機運転は必要ありませんが、必要ないからといってエンジン始動直後から、アクセルをふかすのはやはり車の負担となります。
エンジン始動直後はエンジンだけでなく、オイル類など車を構成するありとあらゆる部分が冷えている状態です。その状態からアクセルをふかして運転するのは人間で例えるならば、準備体操もせずに全力疾走するようなものです。
ですので、エンジン始動後は水温計が充分あがるまではアクセル操作等は抑えめにすることを心がけましょう。
ちなみに水温計の初期はこんな感じです。水温がC(Cold)の位置を指しています。これはエンジンの温度がまだまだ温まっていないということを意味しています。
この状態のまま、エンジンを始動して、10分ぐらい運転するとこの針がH(Hot)とCの間をさします。正常な場合はだいたいこの中間の位置をずっと指したままになります。
また、水温計がない車もありますが、その際には
だいたいこんなマークがついています。このマークがついている間はエンジン温度が上がり切っていないということなので、このマークが点灯中はアクセルを抑えめにすればよいでしょう。
いずれにせよ、だいたい5分から10分ぐらいでエンジンは暖まりますので、それまではアクセルワークは抑えめにすることを心掛けてあげましょう。
⑥車を定期的に乗るようにする
意外なことにこれが一番の長持ちの秘訣だと私は思っています。
走行距離がかさむと車は劣化するイメージがあるかと思いますが、実はそうではなく、定期的に走らせている車ほど調子が良いのは事実です。
中古車市場でも10年落ち10万キロより、10年落ち3万キロの方がエンジンなどの車の内部の状態は悪いことは決して珍しいことではありません。
車は工業製品なので、使っていないほうがどんどん劣化していきます。ですので、走行距離を気にせず、どんどん乗ってあげた方が車にとっても良く、長持ちすることになるのです。
ただし、いくら乗ったほうが車の状態は良いといえど、エンジンが温まらないような短距離走行を繰り返す場合は逆効果です。
ですので、メンテナンスの意味もこめて定期的に動かす場合は一度の走行で15分以上は乗り続けるようにしてあげましょう。
まとめ 長持ちさせようと努力することが気持ち面でも「長持ちさせる」ことになる
一番下のリンク先の私のブログでも紹介していますが、車の耐用年数は年々長くなり、壊れにくくなったのは事実です。
そして、乗り換える理由としては故障したからというよりも、「飽きたから」「結婚するなどして生活環境が変わったから」という要因の方が多いそうです。
もちろん飽きたり、環境が変わったりすることは致し方ないことかもしれませんが、せっかく自分で悩み、決断して高額で購入したものですから、できるなら長く乗りたいものですよね。
不思議なことに長持ちさせようといろいろ車に気を付けてやるようになると、愛着も湧き大事にしようとするので、ご自身の気持ち的にも飽きることなく「長持ちさせる」ことができるのです。
私が今の車に愛着を持つようになったのも普段から車にこういった気遣いをするようになったことも大きく影響しています。
この記事が皆様のカーライフを向上させるものになれば幸いです。
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