株価が暴落・急落したときに買えるか?リーマンショックの経験から検証

  • 2019年3月25日
  • 2019年3月20日
  • 投資

株は売るときも難しいですが、買い時も難しいのです。2019年現在、株を買いたいと思っても今は割高圏にあるためになかなか買いに向かうのも勇気がいる局面になりつつあります。

そんな中

「今買うと高値掴みになる」

「いつ暴落してもおかしくない、地合いが悪い」

「暴落したら買う」

これらは株にエントリーするときによく聞く言葉です。そしてどれも理屈としては正しいです。

実際、日経平均株価の現在の地合いとしては、2008年にリーマンショックで7000円を切る底値をつけてから、株価は順調に上昇し、2019年3月現在では21000円程度です。

NYダウに至ってもリーマンショック時に6500ドルをつけたのち、現在25000ドル程度まで上昇しています。

NYダウ 日経平均株価 長期チャート リーマンショック
NYダウ・日経平均株価チャート 引用:https://nikkeiyosoku.com/

チャートを見て、過去から比べると確かに割高圏であることは事実です。

仮に日経平均が2008年の7000円の時に買っておけば、10年で3倍、あるいは2008年のNYダウが6500ドルの時に買っておけば、10年で約4倍ですから、いかに安値で買うかが株式投資にとって重要であるということは言うまでもありません。

では、株をできるだけ安値で購入するために、暴落時に株を買いに向かうことはできるのでしょうか?

本記事ではそれについて徹底的に考えてみたいと思います。

暴落時に株を買い増す、買いに向かう難しさ

株の世界では超有名なウォーレンバフェットという方がいますが、彼も株が割安になった時に仕込み、長期で保有し、大きな利益を上げるといった手法です。ただ、それは天才だからできることで、少なくとも私のような凡人にはできないと思うのです。

それは、世間が株価に対して「総悲観の時期に買い進むのは想像以上の勇気と精神が必要」だからです。

安くなったら買う、暴落したら買うとよく聞きますが、私が常々疑問に思っていることは、それって本当に行動できるの?ということです。

まず、結論から言うと、私は株を暴落時に仕込むのは非常に困難であると考えています。

それについては下記のような理由があります。

理由①リーマンショックのような株価暴落時の総悲観は想像以上であるから

私自身はリーマンショックの時期はFXで全財産失ったこともあり、株式投資はできていませんでしたが、株価は毎日チェックしていました。当時は実際に資産を投じていないにも関わらず日々暴落していく株価を見て震えるほどの恐怖を抱いたのを今でも思います。

私は当時就職活動中でして、就職に関しても大きな影響があり、誰もが知っている一流企業がその年の採用をゼロにしたり、例年数10人採用している企業でもその年の採用が2、3名だったといったことが珍しくありませんでした。

時系列は2008年にリーマンショックが起こり、2009年に就職活動を本格的にしていたので、今から振り返ってみると当時は株価に関しても景気に関しても底をうって回復に向かっていた時期です。

にも関わらず、世間は総悲観的でした。もっと悪くなるんじゃないか、株価が復活してきたが、まだまだ暴落するのではないかと考えられていて、株は全て紙屑になる、資本主義社会の崩壊だなんていう過激な意見など、今冷静に考えると明らかにおかしいような超悲観的な報道が普通にされていました。

それに伴い、一般庶民の経済状況も深刻で、具体的にはボーナスカット、従業員削減は当たり前、就活戦線についても上記のように採用数を絞る企業が続出していたのです。

ボーナス等は一時的に業績が悪い状態になるとカットされる傾向にありますが、社員数削減、新卒採用枠縮小というのはむこう数年景気が改善しないであろうと考えられている状態でないとおこり得ません。

このように株価が下がれば、企業が不調になるので、株を持っていない人にでも直に経済的なダメージを被ります。

ボーナスがカットされたり、従業員削減で自身の生活を維持するのもやっとの中、果たして余剰資金で株を買う余裕があるのでしょうか。

理由②「異常」な経済状況で自分ひとりだけ買いに向かうのは想像以上に難しい

仮にリーマンショック時の厳しい経済状況の中、自分の会社への影響が少なく余剰資金を捻出できたとします。

もしそうだったとしても、世間の異常な総悲観の中、株を仕込むことはできるでしょうか。

当時を振り返ってみて、私はその状況で、暴落時に株を買いに向かえたのかを考えた結果、私には恐らくできなかったと思います。

仮に買えたとしても、いつ買っていたのか?それが重要です。

では、まずリーマンショック時の株価チャートについて振り返ってみましょう

リーマンショックでの暴落時の日経平均株価の日別株価推移

リーマンショックはその名前から、リーマンブラザーズが破たんしたことによる株価暴落と思われがちですが、実はそうではありません。

リーマンブラザーズが破たんしたのは2008年の9月16日ですが、実は9月16日から極端に暴落した訳ではありません。

リーマンブラザーズ破たん前後の日経平均の動き
2008年9月の日経平均値動き 引用:日経平均プロフィル

つまり、リーマンショックはリーマンブラザーズが破たんしたから起こったのではなく、サブプライムローンが焦げ付いたために起こり、それのせいでリーマンブラザーズが破たんしただけなのです。

つまり、リーマンショックはたまたまリーマンブラザーズが破たんしただけであって、諸悪の根源はサブプライムローンなのです。そのため、リーマンブラザーズ破たん直後はあまり大きな値動きをしていません。

そして次にこれが2008年10月の日経平均の値動きです。

リーマンショック時の日経平均の値動き
2008年10月の日経平均の動き 引用:日経平均プロフィル

10月に入ってから、株価の下落が本格的に始まり、1日に1000円近く急落した日も何日かあります。

そして、10月28日の日経平均株価が7000円を切ったところが、リーマンショック時の底値であったようです。

日経平均株価チャート 
2005年から2012年の日経平均株価チャート 出典:株探

また、リーマンショック前後の年の2005年から1012年までの長期チャートがこちらです。

実はリーマンショック前にも2007年2月に日経平均株価が18000台をつけてから、下落基調にあり、さらにリーマンショックが起こり、2008年10月に7000円台まで急落したという相場でした。

つまり、2007年から2008年にかけての相場は1年半で日経平均が60%以上下落したという超暴落の一年半だったのです。

そして、前述しましたが、リーマンショックとはリーマンブラザーズが破たんしたことではなく、サブプライムローンの焦げ付きであるため、それが表面化し出した2007年8月から底値をつけた2008年10月までの1年以上続いた株価の下落のことを言うと理解した方が投資家としては正しいと考えます。

リーマンショックでの日経平均株価暴落時にどこで買えたか?

では、肝心の暴落時に買うという行動は果たしてできたのかについて考えてみます。

一言で暴落時に買うと言っても果たしてどこで買うのでしょうか?

一つのポイントは2008年中ごろの下落トレンドから一時上昇トレンドになったポイントです。

日経平均株価チャート 

そして実際に、この赤丸のポイントで下落から上昇トレンドになったして、買いに向かった投資家も多いと聞きます。

しかし、このときの日経平均株価は14000円ですから、この時買っているとその後の暴落で7000円まで下落している訳ですので、資産が半分になったことにになります。

仮に14000円の時買っていたとして、ずっと株を保有していたとしたら2013年の5月にようやく14000円台を回復していますので、約5年間我慢してもっていれば損益はなかったと考えられます。

ですが、5年も含み損の株を持ち続けるにはなかなか精神的にきついですので、たいていの人はその後の果てしない暴落に耐え切れず、損切りしたことでしょう。そして仮に5年間持ち続けていたとしても、その間のリターンが0と考えると、その分機会損失していることになります。

つまり、暴落時に買いに向かうと言っても、チャートだけ見てもいつ買うのかについては判断が実に難しいですし、底値というのは結局あとから分かるものなので、予測して買うことは不可能な訳なのです。

株価暴落時、実際は何も行動できない

これまで長々と書いたように、株価暴落というのは想像以上に相場が悲観的で、想像以上に自分は何もできません。

ほとんどの投資家が相場にされるがままになると考えています。

その証拠に、2018年末に世界的に株価が暴落したときがありましたが、この時ですら、ツイッターやニュースを見ていても「リーマンショックの再来だ」「株価はこれまで上がりすぎたため暴落がきた」などと騒がれ、新たにポジションを取るどころか、持っている株を売ったり、今は買い場じゃないと判断する投資家が圧倒的多数でした。

日経平均株価チャート 暴落
2017~2018年日経平均株価チャート 引用:株探

このとき、日経平均株価のチャートをみると、ざっと10月5日の24000円の高値から、12月28日の19000円の安値ですからせいぜい20%程度の下落です。

今から見るとこれは株価暴落ではなく、ただの株価調整です。むしろ絶好の買い場です。あの時仮に買っていれば今は15%程度の利益がでています。

かくいう私も、リーマンショック時の株価暴落とはほど遠いと思いながらも、どこかでまたあの暴落が来るんじゃないかと怯え、2018年末の買い場に向かえませんでした。

つまり、株価が急落しているときは、いつか来るかもしれない暴落に怯え、自分が思っているよりも何もできないと理解しておくべきと私は考えます。

※2019年3月現在では、2018年末の株価急落は調整であったと言えますが、今後の株価の動向によっては、2018年末の株価急落は調整ではなく、株価暴落の前兆であった可能性もあります。そう考えると、今は逆に株価が一時的に反発しているに過ぎません。株価チャートの解釈は基本的に後付けであり、予測することはやはり困難です。

まとめ 株価暴落は必ず来る。そのために普段から精神力とリスク管理力を養っておくこと

以上、リーマンショックから10年以上経過し、あのときの阿鼻叫喚の相場を忘れてしまいつつありますが、貴重な体験ですので、投資家としていつまでたっても忘れずに記憶に残しておくべきと考えています。

そして、私も株価が暴落したら安値で株を仕込めるように、ある程度の資金の準備はしています。

ただ、果たしてあの悪夢のような株価急落の相場、総悲観の経済情勢の中で買いに向かうことはできるのか。

私は今、株式投資を10年以上経験しているといっても、仮にリーマンショックの渦中にいたとしたならば、底の見えない相場、世間の株はまだまだ下がるといった風潮に抗うことはできず、株を損切りするか、塩漬けするかで新たにポジションを取れる勇気と精神力はなかっただろうと想像しています。

株式投資は、どうしてもいかにして有望な株を見つけるか、いかにして割安な株を見つけるかに目が向きがちですが、暴落時にどう行動するかのメンタル面や急落したときにどうなっているかのリスク管理の方が重要です。

つまり、株価暴落時にできる一番の備えは下記の2点を普段から強く意識していくことだと考えています。

周りの意見がどうであれ株価が暴落したら安くなった株を絶対に買いあさってやるという強い精神力

株価が暴落してもできるだけ傷が浅くなるように普段からリスクを取りすぎないようにする資産管理力

では、具体的にどうするかについてはまた次回の記事でご紹介したいと思います。

景気後退 リセッション 暴落
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