世の中の子育ての認識については「スマホ育児」というのはどうもやり玉にあがるようです。
実際にあった話ですが、電車の中で子供が騒がないようにスマホを使わせていた母親が、ほかの乗客に「子供にスマホを与えるな」と責められたことがあったそうです。
今回は毛嫌いされるほど「スマホ育児」って良くないのでしょうか?
スマホ育児が悪い理由としてよく挙げられる意見としては、
- 依存性が高い
- 情報を一方的に受け取るだけでコミュニケーション能力が育たない
- 親との関わりが減る
- 視力に悪い
などが挙げられますが、本当にそうなのでしょうか?
スマホ育児にだってメリットはたくさんあるはずです。
スマホ育児のメリット① ネイティブな英語を無料で学べるほどの豊富な情報量
スマホ育児の大きなメリットは圧倒的な情報量です。
自分が撮った写真も見られますし、動画だって見られます。動画もバカバカしいものから、勉強になるものまで、ありとあらゆる情報が詰め込まれています。
ですので、使いようによってはスマホが非常に有効な教育ツールとして働くこともあります。
例えば、私の3歳になったばかりの息子はYOUTUBEでよく動画を見ています。
見ているものは主にアンパンマンだったりトーマスだったり、好きなキャラクターが動いている動画なのですが、これが英語でアップされているものも少なくありません。
つまりYOUTUBEで好きな動画を見ているうちに英語を学ぶことだってできるのです。
私の息子も英語の動画を見ていることがよくあり、「色」に関する英単語は知らない間に理解するようになっていましたし、驚くべきことに発音もうまくできています。
例えば「WHITE」を「ホワイト」として理解しておらず、聞こえたまま真似するので、大人の発音よりも流暢です。
英語だけでなく、動物の名前、植物の名前もYOUTUBEで勝手に学んでいました。
つまり、スマホがあるということは、子供にとって英語の発音テープ、図鑑、辞典などが常に身近にある状況が作られているといっても過言ではありません。
スマホ育児のメリット② スマホにより親の育児負担が減る
これは親に対するメリットです。
負担が減るというのは単に楽ができるという意味ではありません。
親の負担が減ることにより、育児のストレスが減ります。親のストレスが減れば子供に寛容な対応ができるようになります。
つまり、親のストレス低減は巡り巡って育児にプラスになる方向に働くのです。
スマホ育児は悪だと考えスマホを一切与えず、そして親自身も子供にスマホを見せないためにも自分のスマホ使用を控えたりすることに労力を注ぎ、ストレスを貯めるよりも、スマホを必用に応じて使い、その間育児から解放され、ストレスをあまり貯めないようにするのは決して悪い選択ではないように思うのです。
スマホ育児のメリット③ スマホは受動的ばかりではなく能動的に楽しむこともできる
メリット①のところでも簡単に書きましたが、スマホとはテレビのようにメディアを垂れ流しにするだけでなく、自分の欲しい情報やそれに関連する情報に自らの考えでアクセスできるという能動的な行為もすることができます。
私の3歳の息子がYOUTUBEするのをよく見ていると、今見ている動画の関連する動画をどんどん自分で選んでいろんな動画にアクセスするという行動をしていました。
テレビだと、子供が小さいうちは親がテレビ番組のスケジュールを把握して、「親が子供に選んで見せること」がほとんどだと思いますが、スマホの場合は「子供が自分の見たい番組を選ぶ」という大きな違いがあります。
これってある意味子供が自分から考えて行動した能動的な行動です。
日本の子供はほとんどアンパンマンが好きですが、これはアンパンマンが好きなのではなく、親が子供にアンパンマンを見せるから、世の中にアンパンマングッズがあふれているからだと私は考えています。
つまり、子供は大人によってアンパンマン好きにさせられているのです。
それに対してスマホでは、もちろんアンパンマン関連の動画も多いですが、いずれにせよ親の意志ではなく自分の意志で情報を選択していく訳ですので、その選択の中には幼いながらもオリジナリティーが存在していると私は考えています。
例えば私の息子の場合は、麺類が好きで、子供のYOUTUBERが焼きそばやラーメンを食べている動画をよく見ています。
そしてその麺類を食べている動画を見て、その麺類に興味を持ち、これを食べたいと親に言いに来ることもあります。
3歳ぐらいだと食事のメニューはほぼ親が決めますし、3歳児に食べたいものを聞いても、普通はこれまでに食べたことがあるものの中から答えを出します。
しかし、私の息子の場合はYOUTUBEを通じて、自分がかつて食べたことのない「そうめん」という料理を知り、それを親に食べてみたいとリクエストするという行動をとったのです。
これってすごい能動的で尊い行動だと私は考えています。
スマホ育児に対する批判は少々行き過ぎではないだろうか
私は「スマホ育児」はどうもデメリットばかりがピックアップされ、その裏にある大きなメリットから目を背けられているような気がするのです。
依存性が高い、人との関わりが減る、視力が悪くなるなどのスマホ育児のデメリットは確かに事実だと私も感じています。
しかしそのようなデメリットは、結局無制限にスマホを与え続けた場合に危惧されることなのであって、実際ほとんどの親はある程度制限してスマホを与えていることが多いと思います。
そしてそんなある程度制限された利用方法の中では、スマホが成長過程に影響を及ぼすほどのダメージを与えることはそこまで大きくはないと私は考えています。
仮にスマホ育児が子供に悪影響を与えるというデータが実際にあるのであれば、それは幼児にスマホを与え続ける親は基本的に子供の教育に熱心でないからという原因の方が大きいように感じます。
つまり、昨今のスマホ育児が世の中から批判されていることにある背景には、「スマホを無制限で子供に与え続けた親」という珍しいデータをピックアップしたか、あるいは冒頭でお話しした「電車でスマホを子供に使わせている親」という一場面を切り抜いただけでなのではないかと考えています。
育児でスマホとうまく付き合っていくためには親も一緒にスマホを楽しむこと
かといってスマホを時間制限つきで子供に利用させるつもりでスマホを与えても、子供がスマホを見たがるようになり、スマホを使用する時間がだんだん長くなりつつあるという話よく聞くことがあります。
子供は基本的に未発達で、大人のような自制心や思慮深さがないため、スマホにのめり込みがちになります。
その対策として我が家が実践しているのは、私は子供がスマホでやっていることを一緒に楽しむという方法です。
私は小さいころテレビゲームが大好きで毎日やっていましたが、自分の親はテレビゲームに全く興味がありませんでした。
しかし、ある友人の親はテレビゲームが好きで、私もよくその友人の親と一緒にやっていました。とても楽しかったのを今でも覚えています。
このように人は自分が興味のあることに興味を持ってくれると嬉しいものです。そしてそれは子供も大人も同じです。
私はこの子供時代の経験を思い出し、子供が見るスマホのYOUTUBEの動画をくだらないと決めつけず、何が面白いのか、何でそれを見ているのかを知るために時折一緒に見てみるようにしています。
その結果、前述した「そうめんを食べたいと親に伝えてくれた話」だったり、子供が動画で最近魚を見るようになったのですが、それがきっかけで水族館によく行くようになったりと、一緒に見ることで子供の趣味嗜好などをダイレクトに知ることができます。
ただ知ることだけでなく、逆に息子をクルーズに乗りにつれていったあと、子供にYOUTUBEで船の動画を見せると喜び、船には自分が乗ったクルーズ以外にも、ヨット、フェリー、豪華客船などいろんな種類のものがあると、実際に動画で教えることができました。
結論 スマホ育児はうまく取り入れられれば最強の子育てツールになりえる
これまでスマホ育児のメリットを中心に考察してきました。
よくこのような「スマホ育児が良いのか悪いのか」というテーマの議論になったら、スマホを与えるか与えないかの100か0の理論になります。
私の考えとしては、「スマホ育児」を手放しで賛成しているわけではなく、育児の中にもスマホをうまく取り入れられれば、スマホ育児もメリットは多いですし、子供にスマホを与えてしまったがゆえにスマホに頼りっきりの育児になるならスマホ育児はデメリットが多いと考えています。
特に子供が小さい場合には子供自身が自分の好きなこと、興味のあることをうまく伝えることができませんし、そもそもどんなものが世の中にあるのか把握できていないので、自分の好奇心を満たす方法を知らないのです。
スマホの膨大な情報量をうまく活かせられれば、それを子供の知的好奇心を満たすきっかけにすることもできますし、親自体に知識がなく子供に教えてあげられない場合でも、スマホを使えば子供と一緒に親も知的好奇心を満たすことができます。
こういった親と一緒に好奇心を満たす体験も共有できるのがスマホ育児の良いところと私は考えています。
以上、スマホ自体がここ10年で大きく普及するようになってきたため、スマホが育児にどの程度影響するのか、それが悪い影響なのか、良い影響なのかということがまだまだ推測の域を出ません。
しかし、スマホが私たち大人のライフスタイルを変えたことは事実です。
それと同じように私はスマホには、子供のライフスタイルや育児をも変えるポテンシャルは大いにあると考えています。
このスマホのポテンシャルをうまく使えるか使えないかは親の力量が問われるところでもあります。
うまく使いこなしてわが子の潜在能力を引き出してあげたいですね。